住宅ローンの借り換えについて
住宅ローンの「借り換え」とは
住宅ローンの「借り換え」は、返済中の毎月のローン支払額を、今よりも少なくすることを目的としています。具体的には、今の金利よりも低い設定で借り入れができる金融機関で、新たに住宅ローンを組み直すということです。しかし、借り換えに際しては、一定の効果を得るためにはいくつかの条件があり、また、注意すべき点もありますから、それらを見ていきましょう。
より効果的な借り換え
「借り換え」の目的はローン返済の負担を減らすことですから、そのためにはまず金利差に注目します。
例えば、残りの返済期間が25年で、残債(元金)2,000万円を金利2.5%で返済していく場合、総返済額は26,917,004円になります。これを金利1.5%で借り換えることができれば、総返済額は23,996,180円に減らすことができます。その差は300万円近くになります。このように、金利差で生まれる返済額の減少という効果はとても魅力的ですね。
ではこの効果をより大きく生むためには、どのような条件が必要なのでしょうか。
一般的には、
1.金利差が1%以上あること
2.残りの返済金額(元金)が1,000万円以上あること
3.残りの返済期間が10年以上あること
という三つの条件を備えていることが必要だと言われています。
借り換えのメリット・デメリット、注意点
【メリット】
借り換えの最大のメリットは、総返済額を減らせるということです。総返済額が減れば、毎月の返済額を減額したり、返済期間を短縮したりと、ライフプランに応じて資金計画の再編成が行えます。
例えば、教育資金に不安を感じていたのなら、その部分に補填(ほてん)ができます。また、老後の生活が心配だったのなら、早めに完済することである程度不安が和らぐでしょう。ただし、前述のように、どれ程のメリットが出せるかは金利差にかかっています。
【デメリット】
デメリットを挙げるとすれば、「借り換え」には手数料などの諸費用が必要だという点です。現融資契約の終了と新規融資契約の開始に際しては、それぞれ費用が発生します。以下に借り換えにかかる諸費用を記します。
〈現住宅ローンの完済手続き〉
・全額繰上げ返済手数料:現在借り入れている住宅ローン残高を全額繰上げ返済する必要があり、その際に発生する手数料です。現在融資を受けている金融機関に支払います。
〈新規住宅ローンの融資手続き〉
・保証料:万が一返済不能に陥ってしまったときに、残高の返済を保証会社に行ってもらうために支払う費用です。金融機関が提携している保証会社に支払います。
・融資事務手数料:借り入れ先の金融機関に支払います。金額は金融機関ごとに異なるので、確認が必要です。
・印紙税:新たに取り交わす「金銭消費貸借契約証書」に貼付する印紙費用です。印紙税額は、ローンの借入金額によって異なります。
〈不動産登記手続き〉
・抵当権抹消費用:現在借り入れている金融機関の抵当権抹消登記をする際に、登録免許税がかかります。また、登記手続きを代行する司法書士への報酬費用も必要です。
・抵当権設定費用:新たに借り入れる金融機関の抵当権設定登記について、登録免許税がかかります。こちらも司法書士に支払う費用が必要です。
【借り換えの注意点】
「借り換え」にあたって注意すべき事は、メリットからデメリットを差し引いて、いかに大きなメリットが出せるかという点です。つまり、金利差から得られる総返済額の減額分と、発生する諸費用のマイナス分をきちんと算出して、前者が大きければ大きいほど「借り換え」の意味はあるということです。
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